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これは痛い!AppEngine新料金体系の影響でGoogle Plus Feedが停止に〜Googleロックインの恐怖〜

本ブログで紹介していたGoogle+の投稿をRSSに変換してくれるサービス「Google Plus Feed」が9月1日から使えなくなっていました。

Google+のフィードが取得できる唯一の存在だったので、かなり痛いです。

作者のRussell Beattie氏は、Google+上でサービス中止に至った理由を語っていました。

これを見ると、Google App Engineの新料金体系になると今まで$2.50/日だったのが$34.38/日のコストがかかるようになるので、継続できないとのことです。

Google Plus Feed」では、Google+のプロフィールページをフェッチしてJSONデータを取得し、RSSXML形式にして配信するシンプルな仕組みです。

今まで無料で提供してくれていたサービスだけあって、コストが13倍も膨れ上がるとサービス停止の判断はもっともだと思います。

AppEngine新料金体系による波紋

筆者は最近あまりGoogle App Engineをウォッチしていなかったので、今回の料金改定の話題は知らなかったのですが、ネット上では様々な波紋を呼んでいるようです。

App Engineの新料金体系に関する記事を集めてみました。

今回の改訂で大きな影響があったのは、 CPU使用時間課金($0.10/CPU hour) からインスタンス時間課金($0.08/IH) に変更されたことです。

これにより、今まで低コストで運用できていたサービスも運用コストが合わずにサービス停止に追い込まれてしまう可能性があります。

コストが合わないから他のPaaSに移行しようと思っても、AppEngineのSDKを使って作られたアプリケーションの改修するのも手間がかかります。

まさしくこれが最も恐れていたGoogleにロックインされてしまった状態です。

@higayasuoさんのコメントにもあるように新料金体系に対して不満がある人がきちんと表明することが重要なのかもしれません。

新しい料金体系の適用は9月26日からのようなので、それまでにGAEで運用しているサービス提供者は何らかの対策が必要になってきます。

Google Plus Feed」を自分で立てる

とはいっても、今まで使っていた「Google Plus Feed」が使えないのは痛すぎます。

そこで「Google Plus Feed」のページをよく見てみると、オープンソースとしてGitHubにソースコードを公開しているので自分でAppEngineにインスタンスを立ててください。と書かれています。

「なんと!ソースが公開されているとは!」

というわけで、自分でインスタンスを立ててみました。 ソースはpythonで書かれていました。

URLがハードコーディングされていたので少し修正しただけですが、簡単に動かせました。

このままだと、本家の「Google Plus Feed」と同じく他の人のフィードも配信できてしまうので、自分のフィードだけに絞れるように手を加えました。

筆者が改変した「自分専用Google Plus Feed」のソース一式を公開しておきますね。(ライセンスは、本家と同じMIT License)

簡単にGoogle AppEngineにアップする手順を紹介しておきます。

  1. 予めPythonをインストールしておきます。
  2. Google App Engine SDKをダウンロードしてインストールします。
  3. Google AppEngineのアカウントを登録します。
  4. 登録後にGoogle AppEngine My Applicationsで、アプリケーション領域を作成します。この時にアプリケーションID(ユニーク)を指定します。
  5. 「自分専用Google Plus Feed」のソース一式をダウンロードして解凍します。
  6. app.yamlを修正します。application:にアプリケーションIDを指定します。
  7. plusfeed.pyを修正します。GOOGLE_PLUS_IDに自分のGoogle+のIDを指定、GAE_APP_IDにアプリケーションIDを指定します。
  8. Google AppEngine Launcherを起動します。
  9. FileメニューのAdd Existing Applicationを選び、Plus Feedの解凍したフォルダを指定して「Add」をクリックします。
  10. 「Deploy」ボタンをクリックするとPlus Feedのアプリケーションがアップロードされます。
  11. ブラウザで、http://アプリケーションID.appspot.com/ にアクセスして画面が表示されれば成功です。

Google AppEngineにアプリケーションを登録する手順は、こちらの記事が参考になります。

実際に筆者が動かしてみた結果、今回のAppEngineの料金改定が行われてもFree Planの範囲内でいけそうです。

自分しかアクセスしていないので負荷もありません(当然ですがw)

Google Plus Feed」が無くなって困っている人は、Google AppEngineに自分でインスタンスを立てれば回避できます。

是非、チャレンジしてみてください。

まとめ

今回のAppEngine新料金体系は、Plus Feedだけに限った話ではありません。

もちろんpreviewがとれて安定したサービス提供をしてくれるのはうれしい話なのですが、コストが何倍も上がってしまうと話は変わってきます。

AppEngineのメリットをいかした低コストでスケールするサービスを展開していた人にとってサービス継続が厳しくなるのは確実です。

スモールスタートでビジネスを立ち上げるプラットフォームとしてAppEngineは最適なソリューションではなくなったと言えるでしょう。

先日発表された、さくらのクラウドが開始されれば、こちらに移行する人も増えてくるのではないかと思われます。

AppEngineでサービス提供している人は、最悪のシナリオとしてサービス停止の際には、「Google Plus Feed」のようにオープンソースソースコードを公開してもらえると利用者にとっては非常にうれしい措置だと思います。

それでは、また!